歯肉退縮(根面被覆術・Root Coverage)

歯肉が退縮して下がってしまうことがあります。

歯肉が退縮する原因は

・歯肉の厚みが薄い場合

・歯ブラシが強すぎる場合

・歯の位置が外側にとび出ている場合

・歯ぎしりやくいしばりがある場合

・加齢現象の場合

があります。

歯肉が退縮すると

・知覚過敏で歯がしみやすくなる

・歯が長くなってみた目が悪い

・歯が抜けないか不安になる

放置して元に戻る事はありませんので、治療が必要になることがあります。治療は外科手術になります。

・歯冠側移動術

・側方移動術

・セミルナフラップ術

・トンネリングテクニック

・VISTAテクニック

等、症例によって色々なテクニックがあります。

歯周病で骨欠損があると、この方法はできません。

完全に歯茎が戻るときもありますが、半分くらいのときもあります。


上の歯茎がV字状に、だいぶ退縮してしまいました。
このままのペースで退縮が進むと将来が心配です。
上の前歯6本根面被覆を行うことになりました。

今回はトンネリングテクニックで行いました。

歯と歯茎に切れ込みを入れて、人工歯肉を置いて歯茎の厚みを増して、歯肉を引っ張って糸で固定します。

懸垂縫合を用いています。

数ヶ月後。
虫歯の部分に詰め物をして終了です。
100%完全に歯肉を戻す事は難しいですが、70%くらいは戻す事ができました。
歯肉の厚みも厚くなったので退縮しにくくなりました。
部分層弁で治療するので、この手術法はどうしても少し腫れますが痛みは思ったほど出ませんのでご安心ください。
縦切開がないので、瘢痕が残らず、歯間乳頭も温存できて前歯の複数歯同時に行うのに適した手術法です。
その分、高度な技術が求められます。

1回目 検査 20分程度

2回目 手術 60分程度

3回目 抜糸 5分

4回目 数ヶ月後に経過のチェック


歯周病がある場合、タバコを吸う方、妊娠中の方はこの方法はできません。