歯の移植(Tooth Plantation)

歯を失ったときに歯を入れる方法にはブリッジ、取り外し式の入れ歯、インプラントの他に自家歯牙移植という方法があります。
親知らずなどの余っている歯が残っている場合のみできる方法ですが、自分の歯を自分の顎に移植するので、安心して行える方法です。 

他人の心臓が移植できる時代ですので、自分の歯は自分の土手にちゃんとつきます。

成功率は80%くらいといわれています。

10年後の生存率は70%といわれていますので、一生もつわけではありません。

親知らずを移植する場合は保険適応です。

右下7番(向かって左の奥から2番目)が割れてしまい、歯茎が腫れて痛みが出てしまいました。

残念ながら割れてしまうと抜歯しかありません。

レントゲン写真では向かって左側の奥から2番目です。
反対側の上にあまっている状態のいい親知らずがあったのでそれを移植することにしました。

親知らずを抜いた穴。

抜いた親知らず。 根が1つで先細り、歯根膜もたっぷりついていて移植向きないい歯です。複数根あったり、根が大きく曲がっていたり、虫歯があると抜くときに割れてしまいますので、移植できません。

真っ二つに割れていた歯です。 肉芽が多くついているので最近割れたのではなく割れてから結構、日にちが経過していることを物語っています。

移植してワイヤーと接着剤で動かないように固定して、噛みこまないように高さを落とします。幸い、穴の大きさと親知らずがほぼ同じ大きさだったので、入りました。

術直後レントゲン写真。
なかなかいい位置に移植できました。

親知らずは抜歯すると神経が死んでしまうため、数週間後から根管治療を開始します。

根管充填。だんだん骨ができてきましたね。

数カ月後、しっかりとくっついたらオールセラミッククラウンを装着します。保険診療では銀歯になります。

支台築造、支台形成後。

綺麗に入りました。
この歯が移植歯だということは、いわれなければ誰にもわからないことでしょう。
治療期間 4ヶ月

歯がない部位に補綴する際は

1 移植

2 インプラント

3 ブリッジ

4 義歯

の順番にお勧めしています。